■長期投資を成功させる基本的な5つの方法
- インデックス運用
- 分散投資
- バイ&ホールド
- NISAの活用
- 確定拠出年金(60歳以上は利用できない)の活用
長期投資でのインデックス運用のメリットは、手数料が割安で、現状の把握が容易。
インデックス運用は、言うまでもなく投資対象の指標銘柄に投資することです。
インデックス運用は、購入手数料、信託報酬等の投資信託の購入にかかる様々な手数料が割安であるため、アクティブ運用と比べ長い間投資することで手数料の負担が格段に低くなるメリットがあります。
実際、インデックス運用とアクティブ運用の運用成績が同じであれば、手数料の差だけインデックス運用が上回ることになります。
もう一つインデックス運用のメリットとしては、日経225、TOPIX、ダウ平均などの日本、米国などの毎日テレビなどで耳にする指標に連動するので、今の状況(指標が上向きか下向きかなど)を特別意識しなくても把握しやすい。
今は株の指標だけでなく、金、原油などの商品のインデックス銘柄も豊富にラインナップされており、以前と比べ投資環境は格段に良くなっている。
長期投資での分散投資のメリットは、時期による相場の上下動や特定銘柄の上下動等の投資対象に左右されない。
時期の分散による代表的な手法として、「ドル・コスト平均法」がある。「ドル・コスト平均法」は、毎回、同じ時期に同じ金額を投資する投資手法であるので、相場の高い時は少ししか購入できないが、相場の低い時は多く購入できます。
したがって、「ドル・コスト平均法」は、投資期間の購入コストを平均化します。結果的に投資期間中、相場が上がっておれば利益が出るが、相場が下がってしまえば損失が出ることとなり、「ドル・コスト平均法」も万能とは言えません。
ちなみに、「ドル・コスト平均法」の一番利益の出る相場は、購入初期はマイナスで投資期間終了間際に相場が上昇した時に最も利益が出るようになります。
次に株だけの投資や国債などの債券だけの投資といった特定銘柄だけへの投資は、景気が良ければ株は上がって株だけの投資でも利益が十分だせるが、不景気になったら株は売られ損失が膨らむ。
逆に債券は景気が良い時は金利収入が株の値上がり益よりも低くなる傾向にあり債券は売られ、景気が悪くなると債券は買われ金利が上昇する。
また、金はアメリカ景気が良くドルが買われる局面では下落する傾向にあり、ドルが売られる局面では上昇する傾向にあります。
したがって、株と債券、ドルと金などの商品との分散投資の考え方も長期投資には欠かせないことになります。
バイ&ホールドは長期投資の基本的な考え方だが難しい。資産割合の定期的な見直しは必要。
長期投資での基本的な考え方でありますが、相場上昇時、下落時とも売りたい心理に勝って、当初に決めた期間持ち続けることが肝心なんですが、人間の意志は弱いから特に下落時でのホールドましてや買増しなんか「めちゃめちゃ難しい!」ですよね。
また、買ったら買いっぱなしはダメです。購入商品の定期的な資産割合の見直しが必要となります。
<例>
購入当初、20,000円の株(100円を100株)と債券(100円を100口)を50%、50%の半々で購入したとして1年後に株が30%上昇して130円になり債券が10%下落して90円に下落して資産割合が株(59%)、債券(41%)となったとします。
そのまま放置しておき、また株(100円)、債券(100円)になれば元に逆戻りです。
だから、増えた22,000円の資産割合を株(50%)、債券(50%)に見直して、株(130円、84.6株)、債券(90円、122口)にしておけば、安定した運用が可能になります。
ここから、株が30円下落し債券が10円しか上昇しなくても、株は8460円、債券は12200円でとなり実質資産は20660円になり、資産割合を見直したことで元の株価水準、債券価格になっても660円のプラスとなります。
<長期投資の肝>
- 「バイ&ホールド」
- 持ち続けさえすれば、相場は繰り返す。「明けない夜はない」
- 定期的なリバランス。
NISAを活用すれば、利益に税金がかからない。
NISAとはみなさんご存知のように株や投資信託の値上がり益や配当金(分配金)が非課税となる制度です。(詳細は下記表参照)
<NISAの早見表>
非課税対象 | 株や投資信託の値上がり益や配当金(分配金) |
非課税投資枠 | 毎年120万円まで(翌年への繰り越しはできません) |
期間 | 5年間(売却しても非課税枠の再利用はできません) |
投資総額 | 最大600万円まで |
制度継続期間 | 2014年から2023年までの10年間 (毎年120万円ずつ非課税枠の設定ができる) |
NISA口座資格者 | 20歳以上 |
長期投資の観点からのNISAの賢い利用方法として、5年間の非課税枠終了時は、投資元本を翌年の新規非課税枠内であれば引き継げることが最大メリットとなります。
また、2016年1月からジュニアNISAも始まりました。
ジュニアNISAの特徴は、非課税枠が年間80万円、口座資格は0~19歳、口座管理者は親権者などですので、私ぐらいの年齢になりますと孫への大学入学資金用の活用が想定されます。
ただ、①18歳になるまで引き出しできない、②親権者が同じ金融機関に口座を開設していること、③途中で金融機関の口座変更ができないなどが注意点としてあげられます。
<NISAの基本>
個別株よりインデックス投資信託、ETF(いずれも信託報酬などの手数料が安い)などの長期保有が基本。
確定拠出年金は、税制優遇のオンパレード。長期投資の王道。
2016年5月25日付けの日経新聞に「確定拠出年金、改正法が成立。主婦や公務員も対象」との記事が掲載されてました。
この改正により税制優遇を最大限に利用できる確定拠出年金の加入資格が2017年1月から20歳~60歳までの主婦、公務員まで広がり、ほとんど全ての人が確定拠出年金制度を利用できるようになります。
確定拠出年金は60歳以上の人には利用出来ないので私としては非常に残念ですが、長期投資では最も利用価値の高い制度です。
確定拠出年金は下記の通り、優遇税制のオンパレードです。
メリット1:所得税と住民税を軽減できる。
年金の掛け金が年間所得から控除されるので、所得税と住民税が軽減されます。
メリット2:運用収益がすべて非課税になる。
年金の掛け金から発生する運用益がすべて非課税になるので、同じ投資信託と比べたら、20%以上、運用益がアップ することになります。
メリット3:受け取り時にも所得控除が適用される。
年金受け取り時にも、一時金での受け取りなら退職所得控除が適用され、年金での受け取りなら雑所得で課税されますが、公的年金所得控除が適用されます。
また、運用会社によっては、通常の投資信託に比べ管理手数料、信託報酬も低く押さえられています。ですから、運用会社の選択も重要になります。
長期投資の基本のまとめ
- 老後資金作りは、優遇税制オンパレードの確定拠出年金を利用
- 最大10年間、税金がかからないNISAの活用
- 管理手数料、信託報酬の安いインデックス投資で運用
- 分散投資「全ての卵を同じ籠に盛るな!」
- 定期的なリバランスを行い、「バイ&ホールド」