ボーナスシーズンは、特に「外貨預金」の金利優遇が多く見受けられます。しかし、キャンペーン金利の高さにめを奪われてしまい、「外貨預金」の「手数料の高さ」「為替リスク」や「カントリーリスク」に十分注意する必要あり。
ボーナスシーズンは、金融機関の金利優遇がオンパレード!
7月は公共機関をはじめとして多くの民間企業にもボーナスが支給される。あなたもボーナスを何に使おうか思い悩んでいる時期かもしれませんね~。
でも「アベノミクス」で盛り上がりかけた景気も最近の大幅な円高で輸出企業の業績に陰りが見え始めました。ボーナスも物やサービスに使ってしまうのではなく、将来のために貯蓄しておこうと思っている人が増えてます。(価格.comリサーチ第93回「夏のボーナス」の結果では、「貯蓄」が2015年70%が2016年75.5%。)
マイナス金利の時代に、こんな高金利キャンペーンができるのはなぜ?
ところで、多くの金融機関のキャンペーンのパンフレットをみると、2%、4%、中には年利20%、23%の高金利をうたっているものもある。特に外貨預金のキャンペーン金利が高金利になっているものが目立ちます。
今の定期預金の通常金利は、1年もの定期預金を100万円預金した場合、「0.01%とか0.02%で100円、200円しか利息が付かないのに、20%、23%だったら20万円、23万円もつくの?」って疑問に思いますよね~。
答えは「外貨預金で優遇金利期間が大幅に短い!」から
だけど、いくら金利の高い外貨預金でも、1年で年利20%、23%の金利付けて20万円も23万円も利息を付けてたらたら破たんする金融機関が続出しますよ!実際、2016年6月の南アフリカの政策金利が7%でしかないんですから。
じゃあ、どんなからくりがあるのかと言うと、20%のキャンペーン金利は南アフリカランドの外貨預金1ヶ月もの金利、23%の金利は豪ドル1週間ものの金利なんです。
これだけ聞いたら「へぇ~!それって誇大広告やん!」って思っちゃいますよね~。だから金利表示の1/4くらいの大きさではありますが「1ヶ月もの」「1週間もの」って書いてますのでパンフレットをよく見てくださいね。ちなみに
実際、100万円を1年間預けたらいくらの利息がつくか計算してみます。
◆南アフリカランド(1ヶ月もの金利20% 2016年6月南アフリカ政策金利7%)
1,00万円×20%÷12ヶ月=約1万6,600円(1ヶ月の利息:為替、税金は加味していません。)
◆豪ドル(1週間もの金利23% 2016年オーストラリア政策金利1.75%)
100万円×23%÷50.86週間(365日÷7日)=約45円(1週間の利息:為替、税金は加味していません。)
となります。
キャンペーン期間終了後は普通外貨預金や通常金利の外貨定期預金への預け入れになる金融商品が多くなってます。
上記のようなキャンペーン金利にあまりに目を奪われることなく、冷静に投資期間を見据えた判断が必要になります。
外貨預金で長期投資する場合に気をつけること!
外貨預金は、マイナス金利でATMの手数料で利息が消えてしまう日本での預金に比べ、南アフリカランド、トルコリラなどの新興国の金利は大幅に高く魅力的です。
だけど、外貨預金で長期投資する場合、気おつけなければならないリスクがあります。
第一のリスクは、
日本円を外貨に換える時と外貨を日本円に換える時に手数料が掛かること。金利を考慮しなければ往復の手数料分だけの円安にならないと預け入れ額よりマイナスとなります。
第二のリスクは、
為替の変動リスクがあること。この為替の変動リスクが一番大きリスクで、金利の高い新興国の通貨であっても日本円から外貨に換えた時から外貨から日本円に換えた時に大幅な円高になっていると受、け取り額は預け入れた金額を下回ってしまいます。
第三のリスクは、
預け入れた国の政変やデフォルトによるリスクがあること。特に新興国は政情不安によるデフォルト懸念は付いて回ります。
外貨預金はうまく利用すれば、長期投資のトップバッター!
外貨預金は上記のようなリスクがありますが、日本の金利の低さに比べれば外貨預金のリスクを十分理解した上で上手く利用すれば、長期投資には最も相性が良いとも言えます。