<8月のドル円>
8/26のジャクソンホールでのイエレン議長の利上げに前向きな発言でドル円は、100円台から8/31終値で103円台に円安に振れ、9/2の非農業部門雇用者数の結果しだいでは、9月の利上げも視野に入り105円台もみえてきた。
- 始値:102.39
- 安値:8/16 99.41
- 高値:8/31 103.49
- 終値:103.47
- 値幅:4.08
(参考:マネースクエアージャパン指標)
私の8月のドル円予想(7/1時点)は、99円~105円で概ね予想範囲内で◎
8月のドル円は、値幅が4.08円と小幅な振れ幅で推移した。そんな中で、日本のお盆休みで市場参加者の少ない状況で、8/16には99.41円の円高に振れた。その後も夏休み期間中で大きなイベントもない中で100円~101円の小幅なレンジで終始した。
その流れが一遍したのが、8/26のジャクソンホールでのイエレンFRB議長やフィッシャー副議長の利上げに対する前向きな発言をきっかけにドル高円安に振れ、8/31には8月の高値である103円台半ばに円高に振れて終えた。
8月前半に比べ9月の利上げが大幅に意識される中、9月2日の非農業部門雇用者数の結果しだいでは、105円~107円のドル高も予想される。
<8月の豪ドル円>
8月の豪ドル円は、値幅2.60円とまれにみる小幅な値動きで終始した月となった。8月前半は、8/2のRBA(オーストラリア中央銀行)がキャッシュレート1.75%から1.50%に引き下げたことにより円高傾向で推移したものの、8月後半にはFRBのイエレン議長の利上げを示唆する発言に引っ張られ始値に戻る形で終えた。
- 始値:77.74
- 安値:8/19 76.05
- 高値:8/8 78.65
- 終値:77.71
- 値幅:2.60
(参考:マネースクエアージャパン指標)
私の8月の豪ドル円予想(7/1時点)は、72円~80円でRBAの利下げの影響を見過ぎたことと、まれにみる豪ドル円の振れ幅の小ささを予想出来なかったことで▼。
8月はRBAが予想通りキャッシュレートを1.75%から1.50%に0.25%利下げしたことで、8月前半は円安傾向で推移し、8/19には76.05円の安値になったものの、キャッシュレートの利下げは織り込み済みであったことで、値幅は豪ドル円としては最低の振れ幅ともいえる2.60円の値幅でベタ凪状態であった。
8月後半は、ジャクソンホールでのイエレン議長およびフィッシャー副議長の早期利上げを匂わす発言によるドル円につられる形で豪ドル円も円安方向に進み、8/31の終値は、ほぼ8月の始値の値に戻った形の77円台になった。
9月の推移もドル円の推移に影響される展開が予想される。
<9月のドル円予想(99円~110円)>
9月のドル円予想は、9月2日の非農業部門雇用者数の結果しだいでドル高にもドル安にも大きく振れると予想される。
非農業部門雇用者数が、予想の18万人を上回ってくるようだと、もうすでにドル高を織り込む動きを見せているものの、イエレン議長が「利上げは経済指標しだい。」と発言していることから、9月21日のFOMCの利上げを相当意識する展開になると予想される。
しかしながら、もし雇用者数が予想の18万人を下回るようだと、一転して円高ドル高に振れる展開もあり得る。
また、9/2の非農業部門雇用者数の好結果にもかかわらず、9月に利上げが行われなかった場合は、市場の混乱要因となろう。
そのような展開になると、8/21同日の円高阻止に向けた日銀の金融政策に注目が集まることになる。ただし、日銀の金融政策の手詰まり感が鮮明しなってしまうと、円高が加速してしまうことも懸念される。
<9月の豪ドル円の予想(76円~85円>
9月の豪ドル円は、ドル円の行方に影響される展開になると予想される。
9月6日にRBAのキャッシュレートの発表が予定されているが、最近のオーストラリアの経済指標の結果からすると、今回のキャッシュレート引き下げで打ち止め観測が強く、豪ドル円の下値は限定されると予想される。
オーストラリア経済は、中国の景況感にも影響されるが、9月は豪ドル円もFRBによる利上げが「あるか?ないか?」に振り回されることの方が強いと予想する。
ドル円、豪ドル円とも、他の懸念材料としては、テロ、地震などの自然災害などが円高要因として懸念される。