固定金利が変動金利より低い!60代には考えられない!
2016年8月17日の日経新聞「住宅金利 固定シフト 変動型を逆転」の見出しが目についた。
一般的に住宅ローン金利は、固定型より変動型の金利の方が低く設定されているのが一般的です。
この記事には、10年固定金利が変動金利を下回ったと書いてあります。
「日銀のマイナス金利の影響でこんなことが起こるっているんだな~。」なんて、なんとなく思いました。
リスクを取って変動金利を選択している方が金利が高いなんて、常識では考えられない!おかし過ぎる!
でも、よ~く考えると、これって絶対におかしいですよね!
変動型で住宅ローンを組んでいる人は、極端に言えば、日々の金利の変動するリスクを受け入れて、変動金利でお金を借りている訳です。
金利が上昇してしまえば、当然、当初見込んでいた返済額より多く返済することになります。
そんなリスクを受け入れて変動型の住宅ローンを組んでいるのにもかかわらず、10年間、金利が固定されているので、返済額の増加にビクビクすることのない固定型の金利の方が低いなんて、どう考えてもおかしいってだれでも思いますよ。
変動型で住宅ローンを借りている人はみんな固定型に借り換えた方が得なわけです。
実際には借り換え手数料などを考慮すると支払額が得になるとは限らないですが・・・。
それでも、金利の上昇リスクを加味すれば、手数料を払って支払額が割高になっても固定型に借り換えてしまう方が良いのかもしれません。
ちなみに、三井住友信託銀行は、新規、借り換えとも同条件で変動金利0.6%、固定金利0.35%。三菱UFJ銀行は借り換えの場合での優遇金利が、変動金利0.625%、固定金利0.5%。りそな銀行も借り換えの場合の優遇金利で変動金利0.569%、固定金利0.35%となっています。(但し、借り換えの場合は他行からの借り換えに限定。)
なお、三井住友信託銀行は、条件さえ合えば、リフォームローンにも低金利ローンを用意しているので、60代の年金生活者でも利用できるものもあるかもしれません。
今、住宅ローンを借りている人は、みんな借り換えた方がいい?
だから、今、住宅ローンを抱えている人は、条件さえクリアーできれば、絶対、借り換えするべきです。
申込みが殺到して、銀行が悲鳴を上げるくらいになってもおかしくないくらいです。
それくらい固定型の金利が変動型の金利よりも低くなると言うことは、インパクトがあることです。
でもよく考えてみると、今はどこの銀行の固定型住宅ローン金利も1%以下です。
このこと自体が異常なことです。
住宅ローンを抱える家庭は、固定金利が変動金利を下回ってなくても、今すぐ借り換えを検討するべきです。
銀行が企業に借りてもらえないから、住宅ローンを重視している。
じゃ、なぜこんなことが起こるのでしょうか?
理由は、銀行が変動型の指標となる短期プライムレートを、下げないで据え置いているからです。
短期プライムレートは、中小企業の貸出金利の基準となっていますが、銀行は政策的に短期プライムレートの金利を据え置いているのが理由となっています。
つまり、固定型の住宅ローン金利は、長期プライムレートが基準になっているので、短期プライムレートを基準とする変動型の住宅ローン金利の据え置きによって銀行の政策上、住宅ローン金利が逆転してしまったことが原因です。
本来、銀行はサラリーマンなどの一般生活者からお金を預かって企業に融資することで成り立つ商売です。
しかしながら、企業は経済の先行き不安、もっと言うと日本の人口減少などによる日本の先行き不安から、業務を拡大する企業が少ないために、日銀のマイナス金利導入にもかかわらず、銀行の貸出先がない状態が解消されないまま続いています。
銀行は、この状態を少しでも解消して融資を増やすために、借入れ需要の旺盛な個人向け住宅ローンに力を入れている訳です。
今後、金利が上昇すると銀行の金利負担が増える。
でも、銀行はこんなことをしていて大丈夫なのでしょうか?
銀行の貸し出しの中で住宅ローンの占めるウェートにもよりますが、当然、今後、金利が上昇すれば低金利に固定された融資は、銀行の負担になります。
程度にもよりますが、あまりに急激に金利が上昇すると、景気が回復して企業の借り入れ需要が回復する前に、企業の資金調達に支障が出てしまいます。
こうなると企業はお金を借りてくれない、個人に貸し付けた固定型の住宅ローンの金利負担は増えるはで、銀行の収益の悪化は目に見えています。
マイナス金利政策の今後と出口戦略に不安いっぱい!
無理矢理に金利を低く押さえるということは、国の価値を無理矢理押さえつけることにもつながります。
国の価値が低下するということは、円安になるということです。(短期的には、今、円高傾向ですが・・・)
おそらく、今後、金利が上昇する局面は、景気回復による良い金利上昇ではなく、国債の返済ができなくなるなどの不安要因から金利が上昇する悪い金利上昇が考えられます。